Tokyo 2月 09, 2022

2022年3月17日以降にEU域内で販売されるすべてのスマートフォンは、委任規則(EU)2019/320に準拠しな ければなりません。無線機器指令(RED)2014/53/EUの附則として、112番への緊急通報に際しては、その発 信者の位置情報を迅速かつ正確に緊急サービス機関に提供し、最初の対応要員が事件・事故の現場に素早く 到着できるようにすることと規定しています。
整合規格の代わりに、欧州委員会のガイドラインでは、この適合評価プロセスでスマートフォン・メーカー を支援する公認機関(Notified Body)に向けて、推奨の試験手順を示しています。特に測位衛星システ ムGalileoと位置情報通知機能Advanced Mobile Location(AML)、WiFi位置情報サービスへの適合は必須と なります。
電子計測ソリューションで市場をリードするローデ・シュワルツは、RED指令準拠のハードウェアやソフト ウェアの提供でも数十年におよぶ実績があります。今回、定評あるR&S LBS位置情報試験システムに対す るソフトウェア・ベースの拡張機能を開発し、欧州委員会のガイドラインのほか、ETSI(欧州電気通信標準 化機構)による次のAML プロトコル・テストのための規格TS 103 825に即したソリューションを整えました。 さらにローデ・シュワルツは主要な公認機関やテストハウス事業者とも連携して、この試験ソリューション をより早くご利用いただけるよう取り組んでいます。なかでも、業界をリードするテストハウスのCETECOM 社は、すでにE112試験サービスの提供を公表しています。
今回のローデ・シュワルツのソリューションでは、モバイルネットワークをR&S CMW500ワイドバンド無線機 テスタによってエミュレートしながら、Galileoシステムの周波数帯E1とE5によるデュアル周波数GNSS信号 をR&S SMBV100Bベクトル信号発生器で生成します。また、ソフトウェアによって試験セットアップを自動化 できるため、ECガイドラインに記載のすべてのテストケースを自動的に実行して、画一的で繰り返し性のあ る結果を素早く得られます。
ローデ・シュワルツでワイヤレス通信の市場セグメントを担当する副社長のAlexander Pabstは次のように 説明しています。「当社ローデ・シュワルツは従来から、結びつきが豊かで安全な社会を追求してきました ので、このたびの欧州委員会による新しいE112適合要件にも迅速に対応できました。そのうえ、CETECOM社 のような確かなパートナーとのチームワークも万全で、あらゆるスマートフォン・メーカーがRED準拠を証 明し、EU域内のそれぞれの市場を確実に保てるようにサポートしてまいります」。
そのCETECOM社のマネージング・ディレクタJens Passe氏は次のように話しています。「ローデ・シュワル ツの試験・計測技術に関する知見を活用できる機会をいただき感謝しています。E112緊急通報位置通知の試 験ソリューションをいち早く利用できるようになったことは、非常に重要な一歩です。これによって当 社CETECOMは早速、お客様がE112機能対応スマートフォンを試験・保証するのをサポートできる体制となり ました」。
ローデ・シュワルツのR&S TS-LBSについて詳しくは、こちらをご 覧ください