7月 21, 2025

2015年に導入された車載用の自動緊急通報システムeCallは、2018年以降、EU域内で販売されるすべての新車に義務付けられています。しかしながら、回線交換方式の2G/3Gセルラー・ネットワークが時代遅れになるにつれて、この緊急通報システムもパケット交換方式の4G/5Gセルラー・ネットワークへの対応が必要となっていきます。実際に欧州委員会は最新の規制において、2026年1月1日からNG eCallを義務化すると定めています。その規格には、高機能な4G LTEおよび5G NR技術を含めて、IMS(IP Multimedia Subsystem)ネットワーク上でのeCallシステムのテストに関するガイドラインが規定されています。したがって自動車産業では、eCallモジュールに新しいNG eCall機能を導入するうえで、このNG eCallに対応したテストソリューションが必要になります。
一方、Snapdragon Auto 5G Modem-RFは次世代のコネクテッドカー実現への可能性を切り拓いてきた5G対応の車載プラットフォームであり、高速通信や高度な位置情報サービスに加えて、V2X(Vehicle-toEverything)技術にも対応しています。現代的なテレマティクスのニーズに応えるべく設計されており、信頼性の高い接続性と高精度なマルチバンドGNSSによるナビゲーション、さらには安全性の強化もサポートします。今回の共同の取組みを通じてローデ・シュワルツとQualcomm Technologies社は、Snapdragon Auto 5GModem-RFのNG eCall機能が最新eCall規格に準拠していることを問題なく検証できました。この検証プロセスでは、音声とデータ送信を含めたNG eCallのための包括的なテストソリューションとして、ローデ・シュワルツのCMX500モバイル無線機テスタを使用しました。緊急通報受付センター(Public Safety AnsweringPoint:PSAP)をシミュレートしながら厳格なテストを実施し、送受信ともにその実装がEN 17240:2024規格に準拠していることを確認しました。特にCMX500は4Gと5Gの両方の技術に対応しており、将来も長く有効に使えるソリューションとなるよう設計されています。
ローデ・シュワルツの自動車市場セグメント担当副社長Juergen Meyerは次のように説明しています。「Qualcomm Technologies社と協力して、同社のチップセットに実装されたNG eCall機能を検証できたことを光栄に考えています。この協業によって、将来の緊急通報サービスに向けた新たなベンチマークを確立でき、最新のeCall規格を満たすためのロバストで信頼性の高いソリューションを自動車産業の皆様に提供できることとなりました」。
CMX500にCMX-KA098ソフトウェア・オプションを搭載すれば、多機能なツールとして、現実に即したネットワーク環境のもとでのNG eCallテストに有効に活用できます。スピード感をもってこのNG eCall技術を展開していくためには、業界における企業間の協力がますます重要になっています。そうしたなかローデ・シュワルツとQualcomm Technologies社は共同で両社のソリューションを相互に検証し、お客様の負担を軽減するとともに市場投入までの時間を短縮することを目指して取り組んでいます。このテストソリューションについて詳しくはhttps://www.rohde-schwarz.com/_231772.htmlをご覧ください。
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ローデ・シュワルツは、電子計測、技術システム、ネットワークおよびサイバーセキュリティの各部門を通じ、より安全に“つながる”社会の実現に向けて努力を重ねています。グローバルな技術指向のグループとして、90年にわたって先端技術の開発を続け技術の限界を押し広げてきました。当社の最新製品やソリューションは、産業界や規制当局および行政機関のお客様がデジタル技術の主権を得るためのお力添えをしています。ドイツ・ミュンヘンを拠点としたプライベートな独立企業であり、長期的かつ持続的な経営を行える体制を構築しています。ローデ・シュワルツは、2023/2024会計年度(昨年7月から本年6月まで)には29.3億ユーロの純収益を上げました。また、2024年6月30日現在、ローデ・シュワルツでは約14,400名の従業員が全世界で活躍しています。
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