Tokyo 7月 17, 2021

モバイル・ネットワークのインフラ試験に向けたローデ・シュワルツのラインナップは、RF設計やデジタル設計における研究開発やその設計検証から、インテグレーション、3GPP準拠の基地局に対するコンフォーマンス試験や生産試験まで、インフラ製品ライフサイクルの全段階に対応しています。Mobile WorldCongress 2021(MWC21)では、こうしたラインナップから、現在、特に注目いただきたいソリューションを紹介しました。
67 GHz対応のベクトル信号発生器を使って5G研究開発の最前線でテスト
信号生成と信号解析に向けたローデ・シュワルツのソリューション・ラインナップは、5Gの帯域幅と周波数仕様に応え、5Gの試験における困難な課題に対処できるソフトウェア・アプリケーションも揃っています。特にMWC21では、ローデ・シュワルツから、3GPPリリース17も含めた5G NRの物理層パラメータをテストするためのセットアップを実演紹介しました。そのセットアップの一部として初公開したのが、R&S SMW200Aベクトル信号発生器のための最高67 GHzに対応したマイクロ波周波数オプションです。この信号発生器とハイエンドなR&S FSW85シグナル・スペクトラム・アナライザで構成したセットアップは、波形表示はともなわないものの、最高90 GHzまでのスペクトラム解析と最大8.3 GHzの内部解析帯域幅をサポートしています。また3GPPリリース17では、信号帯域幅やサブキャリア間隔と変調に対して新たなパラメータが盛り込まれる予定です。これらの重要な物理層パラメータについても、すでに同信号発生器とアナライザは対応しています。そのため、いずれの機器でも、そうした要求の厳しい信号を高い周波数域において最大2 GHzという広帯域幅で容易に扱うことができます。こうしたセットアップがあれば、研究開発エンジニアは次世代の5G対応機器やコンポーネントを実装して、その性能をテストすることも可能になります。R&S SMW200Aの新しい5G NR対応機能と周波数オプションは、本年の後半からご提供を始める予定です。
ミッドレンジのRFテストでクラス最高の特性を実現
ローデ・シュワルツは、R&S SMM100Aベクトル信号発生器とR&S FSVA3000シグナル・スペクトル・アナライザによるミッドレンジの試験についても再度改良を図りました。これらの機器は、クラス最高のRF特性をもとに研究室レベルの性能をミッドレンジの試験市場で提供すべく設計しており、最大1 GHzという信号生成/解析帯域幅をサポートするとともに、最も進んだ5G NRデバイスに向けた信号生成と解析でも高品質な測定特性を実現することに重点を置いています。いずれの機器も、最高44 GHzの周波数範囲に対応し、現在の標準的な5Gプロジェクトのほか、新たに登場しつつある5G規格やWiFi規格の複雑さにも十分に応えます。この2つのデスクトップ試験機では、そのまますぐに活用できる機能を搭載し、複雑さを軽減することで、性能とともに柔軟性においても強みを発揮します。
FR1からFR2の構成部品やデバイスへと展開を図っている開発者や試験機器のアップグレードを望む開発者に向け、ローデ・シュワルツはMWC21において、それぞれ最高44 GHzと50 GHzをカバーするR&S FE44S(シングル送受信)とR&S FE50DTR(デュアル送受信)フロントエンド・モジュールを紹介しました。これらのフロントエンドは、信号のアップコンバートとダウンコンバートができ、より低い中間周波数で低損失な伝送を可能にします。そのため、受信側では感度が増し、送信側では出力が向上することになります。さらに同モジュールは、OTA試験チャンバの近くに設置できるうえ、魅力的な価格で優れたRF性能を発揮します。
基地局生産のための高速RFテスト
R&S SMM100Aベクトル信号発生器とR&S FSVA3000シグナル・スペクトラム・アナライザは、5G基地局(BTS)1/2の製造におけるスピード重視のテストにもRF試験ソリューションとして利用できます。ローデ・シュワルツはMWC21で、R&S Server Based Testingを紹介しました。このR&S Server Based Testingは、RFデータの取得を試験機器が、データ処理をサーバが行うというように分離されており、拡張性のある高速な試験・解析プラットフォームとなっています。商用オフ・ザ・シェルフ(COTS)ソリューションとして、BTSの生産やRFコンポーネントの特性評価といった高い頻度で求められる試験シナリオに合わせて設計しています。マルチキャリア・コンポーネントからなる複雑な信号を利用するアプリケーションでも、R&S Server BasedTestingの並列化アプローチと簡単なインターフェースにより、これまでにない測定速度と柔軟性が同時に実現します。
ローデ・シュワルツは、6月28日から7月1日にかけてバルセロナの展示会場Fira Gran Viaで開催のMobileWorld Congress 2021ホール3・小間番号3K30において、モバイル・ネットワーク用インフラの試験に対応したラインナップから、特に注目の製品を紹介しました。WebサイトRohde & Schwarz Signalsからオンラインでもご覧いただけます。詳しくは、www.rohde-schwarz.com/mwc をご覧ください。
ローデ・シュワルツについて
ローデ・シュワルツは、電子計測、技術システム、ネットワークおよびサイバーセキュリティの各部門を通じ、より安全に“つながる”社会の実現に向けて努力を重ねています。グローバルな技術指向のグループとして、90年にわたって先端技術の開発を続け技術の限界を押し広げてきました。当社の最新製品やソリューションは、産業界や規制当局および行政機関のお客様がデジタル技術の主権を得るためのお力添えをしています。ドイツ・ミュンヘンを拠点としたプライベートな独立企業であり、長期的かつ持続的な経営を行える体制を構築しています。ローデ・シュワルツは、2022/2023会計年度(昨年7月から本年6月まで)には27.8億ユーロの純収益を上げました。また、2023年6月30日現在、ローデ・シュワルツでは約13,800名の従業員が全世界で活躍しています。
R&S®およびCERTIUM®は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KGの登録商標です。