Tokyo 1月 17, 2022

先進運転支援システム(ADAS)や自動運転(AD)にとってレーダーは欠かせない技術です。その自動運転の実現に向けてSAE L3(Society of Automotive Engineersによる自動運転レベル3)の実績を高めていくには、レーダーセンサによって、いっそう複雑な交通シナリオに対応しなければなりません。そのため、格段に高い空間分解能をもつイメージング・レーダーセンサが開発されましたが、これにはさらに大きなアンテナ開口面積が必要です。したがって、このようなレーダーセンサの直接遠方界(DFF)での測定は、生産現場にとって非現実なほど大掛かりになります。しかしながら、R&S ATS1500Cチャンバの備えるローデ・シュワルツのCATR技術なら、高品質な遠方界条件をもつ大きなクワイエット・ゾーンを非常にコンパクトな設置スペースで生成できます。
一方、NOFFZ社のEoLテスタUTP 5069 CATRは、量産におけるテストとキャリブレーションのために設計されています。この極めて低反射な電波暗室は、他社の製品にはみられない重要な特長の一つであり、同社が30年以上にわたりシステム・インテグレータとして培ってきた経験が生んだ成果の一つでもあります。しかも3.5 m2というコンパクトな設置スペースで利用可能です。キャリブレーション中の被測定デバイス(DUT)の相対運動やロード/アンロードは、搭載のロボットかゴニオメータで行うことができます。運動の自由度や位置決め精度、サイクルタイムなどの仕様に応じて、いずれかの運動生成オプションを選択可能です。
レーダーセンサやモジュールのティア1サプライヤは、生産に最適化した高速かつ高精度な試験システムを整備でき、コスト削減やスペースの効率利用になるうえ、次世代のレーダー技術への準備も整います。
移動物をシミュレートできるレーダーエコー発生器AREGシリーズを組み合わせたR&S ATS1500C CATRチャンバは、グローバルなレーダー開発に対応できるようになっています。加えて、NOFFZ社のレーダーセンサ用EoFテスタUTP 5069は幅広いテスト仕様をカバーし、世界中のレーダー生産設備で定評を獲得しています。これらによる新しい試験システムについては、最新のレーダーモジュール開発メーカーUhnder社にその開発プロセスに利用することを通じて検証いただきました。
自動運転を目指した取組みには多くの課題がありますが、NOFFZ社とローデ・シュワルツという車載レーダーに高い技術をもつ2社が協力して作りあげたこの試験システムの能力や性能、測定精度があれば、そうした課題の1つがすぐに解決します。イメージング・レーダーの開発から量産への移行を最適化できるのです。
より詳しい情報はhttps://www.rohde-schwarz.com/automotive-radarをご覧ください。