Tokyo 7月 05, 2022

R&S ZNBはすでに、開発プロセスと生産活動のいずれにおいても、ベクトル解析アプリケーションの信頼できるツールとして実証されています。簡単な操作や測定性能といった機能に加えて、卓越した速度とダイナミックレンジ、温度安定性を兼ね備えており、ミッドレンジ・クラスをリードする計測器となっています。これまでにもR&S ZNB26モデルとして最高周波数を26.5 GHzへ拡大させていましたが、今回、R&S ZNB43モデルにより100 kHz~43.5 GHzの周波数範囲を追加しました。ローデ・シュワルツは、この最新モデルを6月19~24日に米国コロラド州デンバーで開催のIMS2022(International Microwave Symposium)に合わせて発売しました。
R&S ZNB43には2ポートまたは4ポートのモデルがあり、それぞれ2.4 mmあるいは2.92 mmの2種類のコネクタで利用可能です。さらにオプションとして、パワーレンジの拡張と第2内部信号発生器もご用意しています。このR&S ZNB43は、フィルタやカプラ、スイッチなどの受動デバイスの特性評価に最適です。また、第2内部信号発生器を搭載すれば、ミキサやアンプなどの受動デバイスの測定に対する汎用な計測器となります。より高い周波数や高速なクロックレート、高精度な仕様を実現するには、もっと高確度なデバイスの特性評価が求められます。特により高いマイクロ波周波数においては、非試験デバイス(DUT)とテスト・フィクスチャの影響を分離するエンベッディングがいっそう重要となります。このエンベッディングの原理はシンプルですが、フィクスチャのSパラメータは容易に測定できないため、実際にエンベッディングを行うのは相当に複雑です。そのため、実用的なエンベッディング・ソリューションが市場に登場したのはわずか数年前のことに過ぎません。しかし、R&S ZNBシリーズを含めたローデ・シュワルツの多くのネットワーク・アナライザでは、IEEE 370規格に従ったディエンベッディングのための業界で広く認められたソフトウェア・ツール群を完全な統合オプションとして利用可能になっています。
どのネットワーク・アナライザでも同じですが、たとえテスト・セットアップを十分にキャリブレーションしたとしても、実施中のテストのパワーレベルなど、その設定に応じて変化してしまう測定の不確かさが残ります。そのため、具体的なテスト条件のもとでの実際の不確かさを把握することが極めて重要です。これに対し、R&S ZNBのソフトウェア・オプションを合わせて使えば、ユーザーは測定不確かさをリアルタイムに追跡可能になります。
さらにR&S ZNBシリーズは、テスト中ずっとDUTを接続したままで使えるインラインのキャリブレーション・ユニットもサポートしています。こうしたインライン・キャリブレーションは、例えばサーマル・チャンバ内で行う衛星や衛星部品のテストに欠かせません。また、DUTのケーブルをつなぎ直すという時間のかかる作業を行う代わりに、多数のポートを活用したマルチポート・セットアップとすると、再キャリブレーショ1/2ンの手間が減少し、R&S ZNBのボタンを押すだけで済むようになります。ローデ・シュワルツは、6月19~24日に米国コロラド州デンバーで開催のIMS2022に小間番号7056のブースで出展しました。この会場では、来場者の皆様に新しいR&S ZNB43ベクトル・ネットワーク・アナライザを実際に体験いただきました。R & S Z NBシリーズの新モデルを含めた全製品について詳しくは、https://www.rohde-schwarz.com/product/znbをご覧ください。