受信機およびLNBの特性評価

R&S®ZNA ベクトル・ネットワーク・アナライザは、2ポートユニットとシンプルなセットアップにより、(高利得)受信機や低雑音ブロックコンバーター(LNB)の信頼性の高い特性評価を、実現します。

LNB特性評価

課題

高利得コンバーターのテストには、テストを困難にする以下のような特殊要因があります。

  • (LOにアクセス可能な)デュアル局部発振器(LO)デバイスを用いた相互変調テストには、複数の信号源が必要である
  • 内蔵発振器LOによるIF周波数オフセット
  • LOアクセスなしのミキサー群遅延テスト
  • 周波数変換デバイスの雑音指数テスト
  • きわめて小さい信号印加パワーと、高確度、小さいトレースノイズ、短いテスト時間の両立

ローデ・シュワルツのソリューション

LOトラッキングや2トーンベースの群遅延測定といった専用機能を備えたR&S®ZNAでは、周波数変換デバイスに対する信頼性の高い包括的な特性評価を、内蔵局部発振器へのアクセスなしで実現できます。

LO内蔵コンバーターテストの結果画面の例
LO内蔵コンバーターテストの結果画面の例:変換利得、群遅延、雑音指数、圧縮、相互変調(R&S®ZNAのブローシャ、49ページを参照)

特長と利点

  • 2ポートR&S®ZNAは、2つの信号源と1つのコンバイナーを備えており、LO内蔵LNBの包括的な特性評価(変換利得、整合、遅延、相互変調、雑音指数など)に十分対応できます。
  • LOアクセス可能なコンバーターに対しては、4ポートのR&S®ZNAで最大4つのRF信号源を使用して、二重変換(ダブルコンバーション方式)受信機の相互変調テストを実行できます(1台のユニットから、2トーン信号、LO1、LO2を供給)。
  • LO内蔵コンバーターの群遅延テスト向けの独自ソリューション(R&S®ZNA-K9オプション)とLOトラッキング機能により、DUTのLOドリフトが大きい場合でも、内蔵LOにアクセスせずにコンバーターの群遅延(GD)を高い信頼性で測定できます。
  • 柔軟な周波数変換テスト機能とミキサー位相測定オプションにより、コンバーターやLOクロストークなどの位相測定をサポートします。
  • 印加ソース信号に対する基準信号のアクセス方法を選択できるので、きわめて小さい信号印加パワーでも十分に強い基準信号が得られ、トレースノイズを低減できます。自動レベル制御(ALC)に対応した、100 dBという広いパワー掃引範囲と、非常に高い受信機リニアリティーにより、正確な印加パワーテストと圧縮テストが可能です。
  • ポート1アイソレーション増幅器により、きわめて低いスプリアスフリー印加信号を実現できます。
  • 雑音指数テストオプションとミキサー・テストセットアップを組み合わせることで、ノイズソースを使用しない雑音指数テストを含む、再接続不要の特性評価が
  • 可能になります。
  • 2つの信号源と1つのコンバイナーを内蔵した2ポートのR&S®ZNAでは、LO内蔵コンバーターの相互変調、群遅延、雑音指数(NF)を取得できます。
R&S®ZNA ベクトル・ネットワーク・アナライザ
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まとめ

R&S®ZNAは、衛星およびレーダー受信機の包括的な特性評価に対応するさまざまなハードウェアおよびソフトウェア機能を提供します。優れた受信機感度、独自の広いパワー掃引範囲、4つの信号源(+LO出力)、LOトラッキングなどの特長をすべて活用することで、R&S®ZNAは、航空宇宙/防衛やSATCOMアプリケーション向けの最も困難なテストにも対応可能です。