FAQs from Rohde & Schwarz

“Absorber Fail(吸収体異常)” 警告

説明

水冷式THx9トランスミッターの “Absorber Fail” 警告の考えられる原因。

解決策

一般仕様:

THx9シリーズの水冷式トランスミッターは、ハイパワートランスミッターです。各トランスミッターラックには、最大12台のパワーアンプを搭載できます。最大6つのトランスミッターラックを内部連結ユニットと外部連結ユニットで連結することにより、指定された出力パワーが得られます。

1つのラックに最大8台のアンプを搭載したトランスミッター:

これらのトランスミッターには、外部連結ユニットはありません。内蔵コンバイナーの吸収体の抵抗は、液体分配器に直接取り付けられ、液流によって冷却されます。このため、“Absorber Fail” をパワーアンプの「シャットダウン」入力にルーティングしている制御ケーブルは、CANバス終端プラグX111内部のリンクで終端されています(添付図を参照)。“Absorber Fail” 警告の場合は、このプラグが欠落しているかどうか確認してください。

“Absorber Fail” warning

1つのラックに10/12台のアンプを搭載したトランスミッターとマルチラックトランスミッター:

連結ユニットは通常、2つの入力ポートから構成されています。1つは複合電源用、1つは平衡吸収体用です。ノーマル動作条件下では、両入力はレベル(パワー)と位相の点では一致しています。全パワーがカップラーの出力に供給されます。不平衡入力条件(レベル差または位相差)では、結合ユニットでパワー損失が生じます。パワーの一部は、吸収体の抵抗に供給されます。10/12台のアンプを搭載したトランスミッターラック内の吸収体およびラック連結ユニットのすべての吸収体に、温度センサが装備されています。各センサには熱接点があり、吸収体の関連する抵抗に負荷がかかり過ぎるのを防ぐために、特定の温度を超えた場合にループを開きます。開ループは関連するアンプのシャットダウン入力に接続され、RF搬送波をオフにします。3つ以上のラックがあるトランスミッターの場合は、吸収体の信号ラインを関連するアンプに接続するために、吸収体ループボードを追加します。

異常ステータスは、“Absorber Fail” 警告によって示されます。関連する吸収体の温度がサーマルセンサのトリガ温度を下回るまで、このステータスはアクティブのままになります。この場合、ループが再び閉じられ、関連するパワーアンプのRF搬送波が再びオフになります。“Absorber Fail” 警告表示が消えます。

208 V主電源入力を備えたトランスミッターシステムでは、トランスミッター制御ユニット、励振器、追加ユニット、冷却(ポンプ/ファン)に220~240 V ACの公称電圧を供給するために、変圧器を追加します。この場合、主電源入力には、電源分配の位相モニターが追加装備されています。この位相モニターを使用して、主電源入力の3相をモニターします。1相以上欠落しているか、主電源の入力電圧が特定の電圧範囲外の場合は、内蔵のリレー接点が開きます。この接点も、パワーアンプのシャットダウン入力に接続されます。

まとめ:

“Absorber Fail” 警告の原因としては、以下の4つが考えられます。

  • CAN終端プラグX111の欠落
  • 吸収材ループボードの接続ケーブルの誤りまたは欠落
  • 影響を受ける吸収材の1つが過熱する原因となるトランスミッターラックの不平衡動作
  • 208 V変圧器を内蔵したシステムの位相モニターにより、3相主電源入力で、電圧不足/過電圧または1相以上の欠落が検出された

“Absorber Fail” の場合の代表的なフォールトインジケーター

トランスミッターのデバイスビューの場合

transmitter device view

アンプのステータスの場合

amplifiers status

ログブックの場合

in logbook