5G NRテストの課題
5G New Radio(NR)テクノロジーのテストには、その複雑さとサポートするアプリケーション範囲の広さに起因するさまざまな課題が伴います。課題の例を以下に示します。
- 周波数レンジ:5G NRは、8 GHz未満とミリ波バンドを含む広範囲の周波数で動作します。
- 複雑な信号:5G NRでは、複雑な変調方式に加えて、マルチ入力マルチ出力(MIMO)やビームフォーミングといったテクノロジーの使用が可能なので、テストの困難さが増し、高度な無線テストソリューションが必要になります。
- 高いデータレート:アプリケーションレイヤーでの10 Gbps前後のピークデータレートでのテストは困難です。テスト機器は、高いデータレートを処理するとともに、エンドツーエンドのテストのためにエンドユーザーアプリケーションをサポートする必要があります。
- 大規模マシンタイプ通信(mMTC):IoTの大規模な展開では、膨大な数のデバイスが使用されます。これらのデバイスは通常複雑さが少ないので、必要なテストソリューションはシンプルなものです。このようなIoTデバイスは大量に展開され、アクセスが困難な場所に設置される可能性があるため、故障のリスクは重大な影響をもたらし、事前のテストが不可欠です。新しいユースケースとしては、IoT-NTNやRedCapをサポートするデバイスがあります。
- eMBBテスト:eMBBは、これまでよりはるかに高いデータ速度と小さい遅延を目指しているため、テストによる精密な検証が必要です。これは複雑で困難な作業ですが、ネットワークとモバイルデバイスの両方が性能に関する高い要求を満たすことを確認するのはきわめて重要です。画期的なテスト結果として、CMX500のIPレイヤーのスループットは10 Gbpsに達しました。
ローデ・シュワルツは、コンポーネントやチップセットから、完成したユーザーデバイスや基地局に至るまで、お客様の5G NRテスト/測定の課題から、革新的なソリューション開発の着想を得ています。ローデ・シュワルツの5Gテストソリューションを使用すれば、製品の開発プロセスを短縮し、信頼性を高めることができます。ローデ・シュワルツは、5Gテクノロジーの進化による広範囲のアプリケーションベースとユースケースを、課題とともにチャンスであると捉えています。当社は常に、最新の機能と要件に対応できるよう、テストソリューションを強化しています。その例としては、NTNテストが挙げられます。これは、これまでの「基地局」という用語が意味を持たなくなるパラダイムシフトを表しています。また、システムシミュレーターは、衛星の移動に伴うフェージング、ドップラーシフト、遅延の時間変動などのRFアーティファクトをエミュレートできる必要があります。
CMX-liteは、複雑さは少ないが高品質のテストシステムであり、機能が制限されたRedCapデバイスに対するすべてのRF/プロトコルテストに最適です。モジュラープラットフォームなので、完全装備の5Gテストシステムに容易にアップグレードできます。マルチテクノロジー対応のシステムシミュレーターにより、5GとWi-Fiの相互運用テストを1台で実行できます。さらに、モジュール方式によりテスト機器を容易に追加できるので、例えばオーディオテスターを追加して高度なオーディオ/音声品質測定を行うこともできます。
RF/マイクロ波テスト/測定機器のグローバルリーダーである当社は、モバイルテクノロジーのライフサイクル全体にわたるサポートを提供し、ラボ、製造、フィールド測定用のソリューションを販売しています。
当社のテストソリューションは、複雑なユースケースに対応し、最新のアーキテクチャーの進歩を反映しています。